オエビログ62


触れた一線を越えられず、その上に立ち竦む。


::
 ギヴァウェイの煙が見える。雪崩から気づけば、麓まで戻っていた。
 周囲には、気を失ってはいるものの、仲間たちは雪の褥で無事の様子だ。
 深いため息を吐きながら、ボーマンは身を起こした。
 いくらゴリラに道を塞がれたせいで行き場をなくしたとはいえ、雪山で叫ぶのは危険極まりない行いだった。
 よくもまぁ全員無事だった。日頃の行いが良いからだろう。
 被害の元凶を探すと、クロードは逆立ちするように上半身を雪に埋めて、足だけが空に突出していた。日頃の行いが悪いからだ。
 叱るつもりだったが、ここまでの醜態となれば救助が優先だろう。
 足首を掴んで持ち上げようとすると、雪の重みで尻もちをつく。
 戦闘が続いた揚句の雪崩のせいで、体力が根こそぎ奪われていたこともあるだろう。
 背中を冷やす雪の温度。もう一度起き上がろうとした途端、クロードの周辺の雪がもぞもぞと動きだす。
 足を少しばたつかせ、雪を破裂させるように自力で頭を外に出した。
 クロードは目を瞑ったまま、頭を犬のようにふるふると振って、雪を顔から跳ね飛ばす。
 同時に、腕を伸ばしてすぐ触れた、温かくガッシリとした二本の太い棒のようなものを、反動に使い起き上がろうとする。
 固定されていないそれは、もちろん大きく動く。
 つまり、膝と太腿に手を当てられて思い切り開脚させられたボーマンにとって、
覆いかぶさるクロードが眼前の光景を確認するまでのたった一秒は、ひどく長いものだった。

::
やっほ〜後(右反転文)



「マンドレイク一気飲みしたら、させてくれるんですか! ガッツで生き残りますよ!?」



部屋割り抗議



出会いは、最高の奇跡で最高の拷問



リンガの聖地開始のクロード編(右反転会話)
::
「うう……ん?」
「おお、気づいたか。大丈夫かぁ? こんなとこで寝てやがって。ほれ、立てるか〜」
「僕は……」
「たまたま俺が奥まで来てたからいいものの、今やこの聖地も危険だって知ってんだろ」
「……そうだ。ミロキニアの探査を……そして光に包まれて……!」
「ミロキニアぁ?」
「僕は、銀河連邦軍の」
「ギンガ連邦? どこだよそりゃ? おいおい、頭打ったのか? しっかりしろよ」
「え? 地球の……、どこなんです、ここは!?」
「ここは、リンガの聖地だ。んー、学生にしては妙な恰好だな…お前さん、一体どこから来たんだ?
 まさか、亜空間の扉から、だなんて言いださねーだろうなぁ?」
「あぶない! うしろ!」
::
「ヒュウ、助かったぜ。
 しっかし、変わった武器だな。剣みてーな光が出て……
 ん? 光の剣? まてよ、どっかでそんな話を読んだことがあるような」
「あ、いえ、これは(とっさにフェイズガンを……軽率だったか。この雰囲気からして、ここは未開惑星かもしれないのに)」
「そういや、まだ名前も聞いてなかったな。
 俺はボーマン・ジーン。リンガの町の頼れる薬屋、ボーマンさんだ」
「僕は、クロード・C・ケニー。
 ええと……うーん、……ただの迷子です」
「なんだそりゃ?」

::



「オイ痴漢やめろ、お前が一番危険だ!!! やめろ!!! 自分の身は自分で守れる!!!」


::
「なんで回復しないんですか! 僕のボーマンさん……っ、僕がそばにいたら守れたのに!」
「ご、ごめんなさい。でもこの状態だと、キュアライトも効かない」
「なんで!」
「っ人に当たん、な……っバッカかテメー」
「ボーマンさん!」
「ノエルはMPも、なかったし、アイテムも渡してなか、った、だろ」
「アイテムっ! そうだ今リザレクトボトル使いますからね!」
「数少ないだろ、気付け薬作っとけばな……は、あ、ちゃんとしたとこで休めば、大丈夫だから、ムダ遣いすんな」
「では私の小屋に!」
「クロード、……お前、俺を運べよ」
「はいっ」
「変なことすん な、よ  ぉ   …… …………」
「しませんよ!
 …………あの、ノエルさん、さっきは怒鳴ってしまって」
「いえ、大切な恋人の危機に動揺してしまったんですよね」
「えっ」
「お二人の付き合いは長いんですか?」
「……あ、いや別に僕たちは。……長くは、ない、です」

::
数少ないリザレクトボトル(右反転会話)



思うに愛の囁きは、ふわふわとくすぐったいもののはずなのに 僕のはきっと笑ってもらえない。



「だって僕が好きなのは」呟いたのを塞ぐような姿に、続きを聞いちゃ、いけないヤツだと勘付いたのに




    
inserted by FC2 system