オエビログ35


私が会いたいあの人がどうしているのか、この風は知っているのかな。



たなばたの、いじっぱりな、ねがいごと。



ミズ・エイリアン



彼にとっての許しは、未だ天国にある




サンダーボルトってむじんくんの充電に使える?



傷の先にある未来 (右反転文)
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「チサトさん……」
 彼女の擦りむいた膝を癒やし終えたノエルは、ため息の代名詞のように、名を呟き呼んだ。
「私が言っても無駄なんでしょうけれど、もう少し怪我をなさらないでください」
「あら、傷つくことを恐れていたら、戦えないわ」
 あっけらかんと言うチサトは、22歳という年頃の娘とは思えないほど快活で、まるで少年の心を宿した少女。
「戦闘中でしたら、私も言いませんよ。ええ、言いませんとも」
 温和で柔和な彼の説教染みた深い口調に対しても、チサトは目線をそらさず告げる。
 ひとさし指をぴんと立て、腕をノエルの目の前に伸ばして。
「記者は日常だって、スクープが撮れるか否かの戦いなのよ!」
 編集長の受け売りを笑って伝えるが、相変わらずノエルは渋い顔。
「……傷を残す戦いに、意味はあるんでしょうか?」
「傷の先に、かさぶたの先に、未来はあるのよ!」
 堂々と胸を張って言うが、今度のノエルは正真正銘のため息を落とした。
 と。背後から、唐突でやぶさかでない音が響く。
 首だけ振り返ると、同行の仲間達が遠方でなにやら騒いでいる様子。
「もう! 私が抜けてる間に面白そうなことをぉっ!」
 チサトはカメラを右手に、腰掛にしていた廃材を踏み板にし、この場から猛然と走り出す。
 勢い余って転倒しそうな、その姿を眺めるノエル。
 腿に置く手の指を祈りのように組みながら、組み替えながら、瞼にきつく力を込めた。
「転んでも、立ち上がれる……あなたなら大丈夫だとは、思います」
 傷。未来。そして、この場所。
 術で癒やせない闘いの傷は、まもなく近づく。
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薬学者の卵の会話はなんともマニアック



雨宿りとマントの犠牲



天才? ちがうってば、コレは「あたしの」才能だよっ!



心の衝動は体の中央へと響く。そうねこれは前へと進ませる、思い出たち。



  
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