オエビログ67


ナチュラルにいちゃつく光景


::
「ボーマンさんはぁはぁボーマンさんボーマンさん」
「…………」
「クロードまじでやめて左見ろ」
「は? ……えっ、レオ……えーと、あのな、これは別にボーマンさんいじめてるわけじゃ、いや待てよそういうプレイか」
「あー、ほら、ネクタイの結び方をだな、ちょっとクロードが遊びで」
「遊びじゃありません! 僕は本気です! 本気でボーマンさんを!」
「話がおかしくなるからテメーは黙ってろ!」
「めんどくさいなぁ。よく分からないけど、言い訳に慌てる時点で、言い訳しなくちゃいけないことしてたんでしょ」
「うぐ」
「ボーマンさんがボクを見たときに青ざめたってことは、やめろって言ってたくせに、助けてほしいわけでもないんでしょ」
「あっほんとだボーマンさんそれって」
「違う」
「ボクが見ちゃいけないものみたいだから見なかったことにしてあげてもいいけど……
 そこの窓から、お兄ちゃんの手袋が落ちてるのは見えたし、ボーマンさんのこといっぱい呼んでたのも聞こえてたから」
「ごめん。気を付けるよ……これからは……」
「これからなんかねぇよ……」

::
ネクタイの日の失敗(右反転文)


::
 こんな一途でワガママで一生懸命なバカ正直野郎、めんどくさすぎて誰が好きになるかよと。
 思った途端、昔聞いたニーネの言葉が耳の奥に響いた。
『あなたみたいに、浮気性で自分勝手で好奇心旺盛で嘘吐きな人。めんどくさすぎて誰が好きになるもんですか』
『って思ってたんだけど、好きになっちゃったのよね。びっくりしたわ』
 苦笑がもれないよう、唇で潰す。
 この先になにがあるか分からない、万が一のまぐれに縋るのか、クロードは指先の熱を伝えてくる。
 目が赤くなるほどに顔を火照らせて、ほんのすこしだけ好きだと、一万分の一の想いだけ告げてくる。
 知ってる、それでも俺はずっとニーネを選び続ける。
 クロードだって知っている。
 だがこの熱に触れられるたびに、近頃はニーネの姿が背に寄り添う幻覚があった。
 厳しいもんだな、見守るような顔でさ。怒ってくれりゃちょっとは遊んじまうとこだった。
 罪悪感はなにもない。なにもしちゃいない。俺達にはなにも起きていない。
 大丈夫大丈夫。こんなめんどくさいやつ、絶対に俺は好きにならない。信じてくれよ。

::
彼女の姿が浮かぶ(右反転文)



決戦前夜浜辺前の作戦会議でボーマンがクロードに近いようでちょっと離れてるので、たぶん椅子アピがうざかった。



『最後だ』と思うから、胸の音は不思議と静かで、彼の話し声がこの青白い世界に響いている。(ラクアにて)



実際プレイ中、戦闘終了しつつ桜花連撃で飛び込んでた



水かき弱いボーマンさん


::
「え? いや、えっと、あの……」
「なんだよ。上に乗りたいっていうから乗せてやったのに」
「そんなまさか、ボーマンさんが嫌がらないなんて僕、考えてなくて」
「今まで、いやがらせでやってたのかよクロード」
「そんなわけないです! ただあの、これは予想外で」
「逆だと弱いなー。そうかそうか、こうすりゃいいのか。全部受け入れてやりゃあいいのか」
「受け入れ……っ、……ほんとにごめんなさいもう無理ですこれ以上ここにいると僕は」
「まあまあ。今日は大サービスしてやってんだぞ? ほれほれ嬉しいだろ〜?」
「嬉しいです嬉しいですけどっ!! ボーマンさん分かってませんよね! 困るんです!」
「なんだそれ? あ。ははは、息子さんもお元気そうだな」
「おかげさまで!!!! なんでそこで笑ってられるんですかもっと嫌がってくれないと僕は!!!」

::

ホモといえばソファ(右反転会話)



シンデレラグラスR-99


::
心が連れて行かれそうな夜空なのに、気づけば隣ばかり見てしまっていた。
なんだよと一瞬目が合ったらもう、スニーカーの踵の破れ目に視線を送るしかなくなる。
夜の明るさに照らされた彼の顔を、脳裏で見たまま。
熱い呼吸が、冷たい空気にさらされて、鼓動がせわしない。
急かさないでくれ、そんなふうに胸が踊っても僕は、この人に伝える言葉をなにも用意できない。
こんなに悩んでるのに、隣は気にも留めずに夜空を見上げて、いつもどおりに笑っているなんて、ほんとうに
ほんとうに。
すきだ。
僕はいつか、好きな人と夜空を見上げたかった。
叶った?
ちがうんだ。
なんでこの人なんだろう。
この人とじゃ、手をつないで肩を寄せ合ってなんて、冗談でしかできない。
それとも、ぜんぶ、冗談にしてくれるだろうか。恋みたいな真似をしても。許してくれるだろうか。
皮膚に触れたら、熱い、きっと熱くてたまらなくなって、燃えそうになる。燃えつきそうになる。
まるで、海の底から眩しい夜空に涙ぐむような、幸福感。

::
海の底(右反転文)



    
inserted by FC2 system