オエビログ46
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お前じゃ俺を救えない
「後でピーピー泣きわめかねぇってんなら、そのまま逃げちまえよ。
お前の『好き』はその程度だって、俺は納得してやるから」
日頃の願望
アームロックにて(右反転文 ※レオンPAからのボーマン通常PA)::
(「顔に出さない」……か)
レオンのホームシックを励ます中で、彼の姿が浮かんでいた。
まるで光合成をするように、佇む彼の姿。
この街に入った時には、散歩でもすると言っていたが、微動だにする様子はない。
あれはホームシックだろう。大人だって、家が恋しくなるのだ。郷愁に駆られるのだ。
家で待つ、あの人が、恋しくなるのだ。
この世界のどこにもいなくなったとしても。
それでも、『大人は顔に出さない』で、ただ堪えている。前を見ている。
幼い少年のように、目に見えて落ち込んでいてくれたのなら、励ますこともできるだろう。
例えば、彼の故郷が元の姿に戻ることを語れるだろう。
だけど。
彼に話しかければ、いつものようなふりをして、ぼんやりと応えるのだ。
「日差しが気持ちいいな」
植物の好きな人は、太陽の光も好きだと言わんばかり。
無意識なのかどうか、緑の傍らに佇むことも、寂しさの現れなのかもしれないと、勝手に思う。
そうですね、と小さく応えて、しばらくだけ傍にいた。
(それ以外、僕になにができるのだろう)
彼の言うとおり、この土地でも日差しは気持ちいい。
緩やかな風の中には緑が微かに、ほんのわずかに、香っていた。
::
トロッコ(右反転文)::
くらり、と獣の尾に打たれ、爪先が浮く。
剣を構え直すことさえ、目の前にチラつく星に吹き飛ばされる。
ごつごつとした地面、立ちにくい、ふらつく、踏ん張れっ
途端、二の腕をひかれ、誰かに全身が抱き寄せられた。
ゴオ、と空気が背後を切り裂いた。
さっきまでは聞こえなかった轟音が、突然耳に飛び込んできた。
右足の踵だけを硬い音で打ち付け、それは去る。
トロッコ。
線路の上にいた自分に気が付く。
は、と息が抜けたとき、二の腕からも手が離れた。
「あぶねぇぞ」
少しからかうような口調をひらりと残し、また彼は敵に向かって駆け出した。
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柱(右反転文)::
仲間の紋章術が、洞窟の青い天井を目映く覆った。
敵が怯んだその隙に、猛攻を畳みかけようと敵の懐に入り込もうとしたとき、大きな影が背に現れる。
嫌な予感がする暇はなかった。
「あぶないっ」
敵を挟んだ向こう側にいたはずの青年が、こちらの胴体に突撃した。
目を見開いたままの必死な面持ちが、ひと瞬きだけ眼に映った次は、金髪しか見えない。
態勢を崩され、勢いの余り、かなり後方に押し倒される。
頭は辛うじて打たなかったにしろ、背中が地面に強く擦れた。
ほぼ同時に、地面に重い音が響く。一気に土埃が舞う。破片が頬に落ちる。
すぐ背後にあった筈の巨大な円柱が倒れ、獣の胴体を叩きつけて真っ二つに割れていた。
獣は悲鳴を上げることもままならず青い吐血をし、腕の力がガクンと抜ける。気絶か絶命をしたようだ。
あそこにいたら、柱と獣の両方に潰されていただろう。徐々に状況を理解し、心底ゾッとする。
咄嗟に突き飛ばしてくれた青年は腹の上に乗ったまま、心から安堵した顔で、こちらへ小さく呼びかける。
「……ボーマンさん、大丈夫ですか?」
「おう。サンキュな、クロード」
身を起こそうとすると、ようやく気が付いたようでクロードは、慌てて身体から降りた。
そして彼は、少し離れた場所に落ちている自分の剣を拾う。
そんな様子を見ていると、昔より成長したもんだな、と感慨深く思う。
昔といっても、たった数か月前。その頃なら、こちらが助けることも多くあった。
今でも助け合ってはいるが、しかし、それにしても、彼は以前よりも周囲がよく見えるようになっている。
こうして次第に伸びていく年頃が、少し懐かしくも羨ましく思える。輝いている。
ああいう格好いい助け方は、好きな奴にやりゃあオチるのにねぇ、と考えた途端、とっくに知っていたはずの事実を思い出す。
(こいつの好きな奴って、俺じゃねぇか)
カァ、と心臓が熱くなってくる。どうすりゃいいんだ。
クロードは何かを誤魔化すように他愛もないことをいささか早口に話すだけで、まだ振り向かない。
どうしようもなく、胸を抑えた。
(全ッ然、オチちゃいねぇけどよ!)
::
正面からの回避
心の強い人
気楽にいこうぜ
27才男性のモノを見て、口では拒絶してるけど身体と心はメロメロなクロードくんください。
19才男子の溢れるムラムラに、軽い気持ちで相手してあげて落ちそうになるボーマンさんください。
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